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沖縄県うるま市 編
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もずく漁が盛んな沖縄中部うるま市へ。近海に浮かぶ津堅島は「つけんにんじん」の 産地です。

産地の食ぢから もずくで腕自慢! 地元ではこんなふうに食べてます

海からの恵みを畑にも。もずく漁とともに生きるにんじん農家。

 

もずく漁の盛んな勝連漁港を訪れ、漁師の方から話を伺いました。

 

家庭によって、いろいろな食べ方があるもずく。

 
もずくで腕自慢!

もずく漁の盛んな勝連漁港を訪れ、漁師の方から話を伺いました。

沖縄県うるま市 編

上: 港に停泊しているほとんどの船が、もずく漁のために使われている。
下: つやがよく、ぬめりが強いのが良品なのだとか。

左: もずく漁に熱心に取り組んでいる嘉保敬さん。ウェットスーツがとてもよく似合っている。
右: 海岸近くにぼんやりと広がる黒い所が、もずくの養殖場。

左: 近くの海岸では、カイトサーフィンの大会が開かれていた。
右: 勝連城跡から見下ろした勝連の町並み。

左: 岸には、さんごや貝の化石がゴロゴロしている。
右: 養殖に使う網を干している様子。

勝連漁協の職員、
玉城謙栄さん。

 

■ 扱っているのは、もずくだけ

 沖縄の言葉で「さんごの島」を意味するうるま市は、平成17年の市町村合併により誕生した比較的新しい市です。エメラルドグリーンに輝くきれいな海、まさに「ちゅら海」を望む本島の東海岸部に位置しており、近海に浮かんだ島の周りには、実際にたくさんのさんごが生えています。
 今回、わたしたち取材班が訪れたのは、そのうるま市の東の端にある勝連という町。日本全国で流通しているもずくの約9割は沖縄県でとれるのですが、その半分以上がここ勝連の港でとれるのだとか。
「もずくは、この漁港が扱っているほぼ唯一の商品。もずくで食べているという自負が、わたしたちにはあります」と地元のもずくに自信たっぷりの玉城謙栄さん。勝連漁業協同組合のメンバーの中でも、一番のもずく通です。
「早速ですが、まずは漁の様子を見てみてください」と、到着してすぐに港の先のほうに案内されます。百聞は一見にしかず、ということでしょうか。そこで出迎えてくれたのは、漁師歴9年目の嘉保敬さんです。なんでも、さきほど漁から戻ってきたばかりなのだとか。ダイバースーツがまだうっすらと湿っています。漁がどのように行われているのか、詳しく伺ってみましょう。


■ もずく漁に休みはないんです」

 「もずくの仕事は1年がかり。休みはとりたくてもとれないね」と嘉保さんは笑いながら話し始めます。休みがないとはどういうことですか?
「もずくを養殖するサイクルが大体1年かかるんです。だから、4月から6月の、この漁獲シーズンが終わるとすぐに次の支度に取りかからないといけない」
 手順を聞いてみたところ、まず天然のもずくをとってきて、水槽で養殖用の網へと種つけを行います。そこでしばらく育てたあと、網の間隔と場所を変えながら徐々に海へ出してゆくのだそうです。
「定期的に養殖用の網に手を入れてやらないと、すぐにもずくの成長が止まってしまうからたいへんだよ」
 特に肝心なのが「本張(ほんばり)」という漁獲前の網の移動なのだとか。この作業がうまくいくかどうかで、「その年のもずくの大きさが決まる」ので、気が抜けません。
「1日ずれると、仕上がりがまったく変わってしまう。だから、たとえ大しけの日でも船を出さないわけにはいかないんです」
 この気概が、うるまのもずくのおいしさを支えているわけですね。それにしても、危険を冒してまで、嘉保さんを海へと向かわせる情熱は一体どこからやってくるのでしょうか。
「もずくの仕事は基本的に個人作業。体力的にはきついけれど、やった分だけ自分に返ってくる。それに、沖縄の海には人を引きつける不思議な魅力があるんですよ」
 漁師になる以前は、埼玉県で不動産関係のディベロッパーをしていたという嘉保さん。時間に追われる忙しい毎日に疲れ、生まれ故郷の沖縄に戻ってきました。もずくをとるために海に潜っていると、気持ちがよくて、ついつい昼食をとるのも忘れて仕事に熱中してしまうことがあるのだそうです。海をバックにほほえむ嘉保さんの姿が、自然体で輝いていたのが印象的でした。


■ 「海の利」がもたらしたもずくの魅力

話を聞いて戻ってくると「さあ、何でも聞いてください」とさきほどの玉城さんが登場です。そこで、うるま市のもずくの特徴を聞いてみました。
「もずくは海藻の一種なんですが、沖縄県でとれるのは“オキナワモズク”という特産種。三杯酢につけてよく食されていることから、地元では“スヌイ”などと言われています。この種類は、太くてぬめりと歯ごたえがあるのが特徴なのですが、ここ勝連でとれるものはそれが顕著ですね。主な漁場となっている津堅(つけん)島や南浮原島などの周辺は特に海がきれいで、さんごなどミネラルを豊富に含んだものが近くにあるからでしょう」
 なるほど、まさにうるま市の地の利、いや「海の利」がもたらした産物なのですね。
「最近では、味のよさに加えて、健康にもいいという理由からもずくが注目されつつあります。フコイダンという成分が、生活習慣病予防に効果があるんだそうですね。でも、一般の家庭ではどうやって調理すればいいのかわからない人もまだまだ多いのではないかと思います。そこで、沖縄では毎年4月の第3日曜日を“もずくの日”と定めて、料理コンテストを開催したりもしているんですよ」と、熱っぽく語る玉城さん。過去の大会で出品されたメニューを見せていただくと、もずくの雑炊やロールキャベツなどの中に……、ええっ! もずくぜんざいですか!? どんな味がするのでしょうか。
「いえいえ、もずく自体にはくせや味がほとんどないので、意外といけますよ。いろいろと試してみてわかりましたが、実は料理に使いやすい食材なんです」と自信満々の勝連漁協の皆さん。これほど研究開発に余念のない方々です、地元ならではのおいしい食べ方にもきっと詳しいに違いありません。

 
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