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わかさぎの漁獲量全国一を誇る青森県東北町へ。
青森県一の大きな湖ではぐくまれたわかさぎを、
取材してきました!

産地の食ぢから わかさぎで腕自慢! 地元ではこんなふうに食べてます

土づくりで産地を守る。おいしい長芋をいつまでも食べてもらうために。

 

青森県一の大きな湖ではぐくまれたわかさぎを取材してきました!

 

わかさぎの大きさによって、さまざまな調理法を使い分けるのが地元流。

 
コラム 産地の食ぢから

 

土づくりで産地を守る
おいしい長芋をいつまでも食べてもらうために

青森県東部、八甲田連峰裾野の4町村(東北町・野辺地町・七戸町、六ヶ所村)は、全国でも有数の長芋産地。
今、ここでは、土の元気を取りもどし、ほんとうにおいしい野菜の育つ地域にしようと、科学的な手法を取り入れた土づくりに取り組んでいる。

 

夏の長芋畑。一直線に張られたネットにつるがからむ。
土の中では、これから秋にかけて長芋が育つ。

 
 

ながいも部会長で、野菜振興会副会長も務める藤谷義秋さん。疲れているときは、長芋のとろろに、卵を入れて食べると元気が出るという。

ながいもは収穫後、泥つきのまま冷蔵される。それを洗って、選別、箱詰めし、北海道を除く全国へ通年出荷する。

ながいも部会副部会長の乙部英夫さん。乙部家の長芋バター焼きはフタをして蒸し焼きにし、しっとり感を出すという。

JAとうほく天間が運営する「東北町有機供給センター」は体育館のよう。地域の畜産農家19戸が原料の牛ふんや鶏ふんを出している。

地域の名物イベント「ながいも日本一決定戦」。5本ひと組で出品され、重量、形状、 おいしさの目安になる糖度などが審査の対象となる。1本2sを超す重量級の長芋も。

ネットが張られた畑を前に行われる「ながいもあおぞら講習会」(現地検討会)。畑の中では温度、湿度、照度を測定。説明するのはJAとうほく天間の営農指導員。

地域の生産者たちは働き者で頭が下がるという、JAとうほく天間、営農指導課の小又政幸さん。

土づくりを根底から見直していく

 「ここの堆肥、臭わないでしょう。地元で集めた牛ふんや鶏ふん、野菜くずにおがくずをまぜて、十分に発酵させているからですよ。これが、土の力をつくるんです」。JAとうほく天間、営農指導課の小又(こまた)政幸さんが指さしたのは、JAが町から委託されている堆肥センター。体育館ほどの建物で、ショベルカーが原料をかきまぜる。その後、80℃近くまで温度をあげながら、45日間じっくり寝かせると、ふかふかの堆肥になる。
 この地域で長芋の生産が始まったのは昭和39年。寒冷な気候に加え、夏にはやませと呼ばれる湿気まじりの冷たい風が吹く冷害多発地帯。米や葉物が育ちにくく、昔から、農家は大根やごぼうなどの根菜類をつくってきた。長芋は寒冷な気候でもよく育ち、高級食材としてより多くの収入が見込めたため、生産者も増えた。
 長芋づくりに、いかに土が大切かを語るのは、地域で長芋生産を始めたころから、親の畑仕事を見てきた乙部(おとべ)英夫さん。「生産量は全国一、二です。でも、長年、同じものをつくりつづけているとどうしても土がやせてくる。農家はそれぞれに肥料や輪作で工夫してきましたが、本来の土の力を取りもどすためには、根本からの土づくりが必要なのです」。
 砂、火山灰、粘土などが複雑に入り組むこの地域での土づくりは、むずかしい。これまでは生産者の経験や勘が頼りだったが、JAとうほく天間は、平成18年、農業を土づくりから見直して、将来も続けていかれるようにしていこうと、「有機の里構想」を始めた。


原点の土を取りもどすための処方箋

 この構想の核になるのが、土づくりのための土壌分析と、良質堆肥の利用。作物が育つために必要な栄養分を最適にし、土に力をつけるために堆肥を入れていこうというものだ。
 JAとうほく天間では、土を畑ごとに科学的な分析器にかけて、分析結果から必要な肥料の種類や量を細かく処方し、堆肥も組み込んだ指導を始めた。将来はそのデータを、地域の土づくりに役立てる計画だ。
 「出てきた処方箋(せん)を自分の経験や記録と照らし合わせると、ほとんど同じ。処方箋の確かさを確認しました。よぶんな肥料を使わないよう、細かくてめんどうな処方箋だけど、これがあれば、だれでも土づくりができますよ」と、ながいも部会の副部会長を務める乙部さんは笑う。
 この取り組みへの期待は広がり、2年間で、若手を中心に、長芋生産農家700戸のうち164戸が、処方箋を手に土づくりに励むようになった。


努力が成果につながりはじめた

 今年の春、目に見える手応えを感じたと語るのはJAの小又さん。「恒例のイベント『ながいも日本一決定戦』に出品された良質な長芋で、JAの指導員たちが目かくしテストをしたところ、『舌ざわりがなめらか』『おいしい』と評価された長芋は、どれも土づくりに取り組む農家のものでした。自分たちの活動が確かな方向に向かっていることが実感でき、力がわきました」。
 JAの職員たちは、生産者たちの高まる期待を受けて、土壌分析や処方の相談、堆肥の輸送にと、土日返上の忙しさだ。
 ここ数年、JAとうほく天間の青年部は毎年数人ずつ増えており、その定着のためにも、土づくりの取り組みが必要だと、部会長の藤谷義秋さんは語る。「土が元気になって収量が上がり、収入が増えれば、若い世代のやりがいにつながる。いつまでも長芋産地の活気を持続して、日本中の人においしい長芋を味わってもらえれば、こんなにうれしいことはないね」。
 地域の人々を巻き込みながら、広がりをみせる土づくりの取り組みは、地域全体の活気につながっている。


旬を味わって!長芋は秋と春の2回収穫

 JAとうほく天間では、1年を通じて長芋を出荷しているが、じつは、長芋には秋と春、年に2回の旬がある。まず、11月半ばからの秋掘りで新ものを味わい、つぎに、雪の下で冬を越し、4月に出る春掘りを味わってみてほしい。同じ産地でも、その味わいは微妙に異なり、春掘りのほうが糖化が進み、味が濃く感じられるという。
 生産農家のみなさんに、おいしい長芋の見分け方を聞いてみると、切り口のきめが細かく、重いものが、味が濃くておいしいという。家庭での保存は冷蔵庫へ。
 地域で人気の食べ方は、まずは定番のとろろ。そして、もう一品はシンプルなバター焼き。味付けはしょう油(好みでみりんも少々)や焼き肉のタレなど家庭によってさまざまだとか。


長芋の取り寄せなどは
JAとうほく天間 TEL 0175-63-2011
ホームページの「とうてんレシピ」にもたくさんのメニューがのっています。
http://www.ja-aomori.or.jp/touten/index.html

この記事はNHK「きょうの料理」テキスト2008年12月号に掲載されたものです。
協賛:JAバンクアグリ・エコサポート基金 JAバンク JFマリンバンク
文:坂本伸之/写真:塚本 哲、JAとうほく天間

 
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