Home 日本の食の未来をたずねて。 メッセージ
イベント詳細/レポートイベントレシピ一覧地元の味をいただきます
青森県 編
地元の味をいただきます

[地元の味をいただきます]トップへ戻る

わかさぎの漁獲量全国一を誇る青森県東北町へ。
青森県一の大きな湖ではぐくまれたわかさぎを、
取材してきました!

産地の食ぢから わかさぎで腕自慢! 地元ではこんなふうに食べてます

土づくりで産地を守る。おいしい長芋をいつまでも食べてもらうために。

 

青森県一の大きな湖ではぐくまれたわかさぎを取材してきました!

 

わかさぎの大きさによって、さまざまな調理法を使い分けるのが地元流。

 
わかさぎで腕自慢!

青森県一の大きな湖ではぐくまれたわかさぎを取材してきました!

青森県 編

岸辺からは、のどかに浮かんで見える漁船だが、間近に寄ればキビキビと作業をこなしている漁師さんたちの姿がある。たっぷりとたわんだ重い網を引き上げると……。わっ、ピチピチ跳ねる大小のわかさぎがどっさり!

右:湖の名案内人、小川原湖漁業協同組合・指導課課長補佐の蛯名秀樹さん。「小川原湖は懐の深い湖。わかさぎ以外にも、しらうお、大和しじみ、天然うなぎの漁獲高も日本一なんですよ!」と誇らしげ。
左:遠くに見えるのは、汽水湖である小川原湖の、海への出入り口となっている高瀬川河口にある“マテ小屋”。昔は小屋の下に袋網を張り、杭と杭との間に仕掛けをつけて、魚が網に入るまで漁師は小屋の中で待ったのだそう。

船曳網漁は大体6人1組が基本。等間隔に並び、声を合わせて、わかさぎの入った網を船上にたくし上げていく。

わかさぎが詰まった箱は、船着き場でリヤカーに積み替えられ、競り市場に次々と運び込まれる。そして、カランカランカランという鐘の音とともに、入札がスタート!

わかさぎ漁をこよなく愛する、船長の沼尾栄一さん。たくましい腕、厚い胸板は実に頼もしいが、パッと広がる笑顔はなんとも無邪気でチャーミング。

左:小川原湖では、年間約1500トンも揚がるしじみ。大和しじみという品種で、手のひらに5〜6粒しかのせられないほど大粒。
右:しらうおもまた、年間約500トンの水揚げがあり、わかさぎ、しじみと並ぶ特産品。新鮮なものは透明で、姿形も張りがあるのが特徴。弱ってクルンと丸まったものは、地元では“パーマ”と呼ぶのだそう。なるほど。

小川原湖公園内にたたずむ、伝説の主人公、玉代(たまよ)姫と勝世(かつよ)姫の像。物語は1350年ほど前のこと。都から幼い姉妹が父を捜しに北上し、小川原湖畔に着いたところで、父が亡くなったことを知り、あとを追うように湖に身を投げてしまった、という悲しい話が残っている。

 

■県内最大、国内有数の広大な宝湖(ほうこ)“小川原湖”

 チャプチャプと、小さな波が足もとに寄せる岸辺。そして、目を上げれば、見渡す限りに広がる湖面。青森県の東南部、下北半島の付け根に位置し、青森県三沢市、上北郡東北町、六ヶ所村にまたがる小川原湖は、豊かな自然に囲まれた県内最大、国内では第11位の面積を持つ湖です。東北端から高瀬川を通して太平洋に注ぎ込み、潮汐(ちょうせき)の作用によって、海水が逆流して湖に入り込む汽水湖で、日本では珍しく“青森県上北郡東北町大字大浦字小川原湖191番地”と住所が定められているのもおもしろい特徴の一つ。
 そして、この小川原湖、春はお花見の名所、夏は湖水浴場としてのにぎわいも見せますが、実は日本一を冠する特産品を、いくつもその腕(かいな)に抱いた宝湖。その中で、最も代表的なものの一つが、わかさぎです。
 「小川原湖のわかさぎの漁期は9月1日から3月15日と、4月21日から6月20日までの二期。年間を通して500トンもの漁獲高になるんですよ」と胸を張るのは、地元生まれ、地元育ちの小川原湖漁業協同組合の蛯名(えびな)秀樹さん。
 ひゃ〜! あの小さなわかさぎが、いったい何匹集まったらそんな量になるのかはわかりませんが、何しろ膨大であることは納得。
 ところで蛯名さん。恥をしのんで伺いますが、まさかそのとんでもない量のわかさぎ、氷結した湖面にゴリゴリ穴を開けて、一匹一匹釣り上げて……いるわけ、ないですよね?
 「あははは、それはそうですね。小川原湖では現在、船曳(ふなびき)網漁、定置網漁、刺網漁などが主な漁法で、なかでも漁獲高を上げているのは船曳網漁なんですよ。
 ではどうです、漁船に乗ってみますか?」
 あら、それは願ってもないお申し出。ぜひお取り計らいのほど、よろしくお願いいたします。


■漁場の選び方、網の改良わかさぎ漁は努力比べ

 というわけで、蛯名さんにご紹介いただいたのは、漁師歴30年、“第八徳栄丸”船長の沼尾栄一さんです。
「船からはねるな(落ちるな)よう。はねだら、誰も助けねぇんだからよう。カッカッカ!」と豪快に笑う沼尾さん、日々の漁で鍛え上げられたのであろう、がっしりとした体つきとあわせて、なんとも頼もしいかぎりです。
 さて、船曳網漁の場合は、1チーム6人が基本編成。円周200メートルにもなる網だけでも相当に重く、このくらいの人数がいないととても引き上げられるものではないそう。力だけでなく、チームワークも大切。
 さぁ、いよいよ湖面に網を打って、待つことしばし。程よきところで、力を合わせて、網をグイグイと引き上げます。
 「お〜、入ったぞ、魚入ったぞぉ〜」という声とともに、船上にたくし上げられた網の中には、わかさぎがぎっしり。わお!それにしてもこれだけ広い湖の中から、漁場を選ぶのも大変そう。
 「湖のどこでとれたかでも、味が変わるからな。場所によって、大きさも、脂ののりも、味も違う。魚群探知機も使うけど、あとは経験。そして場所取りは早いもんがちだな」
 さらに漁のクオリティーを高めるには、ポイントがもう一つ。
 「小川原湖でわかさぎがたくさんとれるのは、漁具つまり網が優れているからさ。といっても、どっかからまとめて、漁師みんなに同じものが支給されるってわけではなくて、ひとりひとりが常に改良を加えていくの。つまり、お互い切磋琢磨(せっさたくま)していくことで、漁の質が上がるってことだね。え?どんなくふうをしてるかって?はぁ、それは言えねぇな」と沼尾さん、ニヤリ。
 いくら湖が豊かであるとはいえ、何もせずにその恩恵にあずかっていればいいというほど、甘くはないわかさぎ漁。日本一の漁獲高は、漁師さんたちの、経験に基づいた確かなテクニックと、たゆまぬ日々の努力があってこそなのでした。

 
このページの上へ